Accueil » 訪れる×巡る » マッチングリスト » 川尻酒造場
江戸末期、天保10年(1839)創業。
1970年代には糖類、調味液の使用、桶売り(大手の下請)を全廃し以降、コクのある酒質にこだわり、数年の貯蔵期間を置く熟成古酒に特化して今日に至る、飛騨で唯一、個人経営の蔵元です。
当店の酒造りは、昔ながらの手造りを主体としたものです。おり酒以外は全て数年間、蔵内で貯蔵熟成させた熟成古酒です。酒のコクを構成する五味がまろやかに調和し日本酒本来の味となっております。酒のコクにより 相当辛口であっても 離れた辛さを感じません。このような酒を造るには良い原材料を選び丁寧に処理し基本に忠実に仕込むことに尽きます。その為純米酒から普通酒まで全て 地元の米を使用し自家精米、かけ米は甑と和釜で蒸し、自然の冷気にさらしてゆっくりと冷やしていきます。こうすることで理想的なもろみ経過が得られるのです。こうして得られた酒は、新酒で飲む淡麗な酒質とは違い、搾った直後はあらい感じの味です。これがゆっくりとした熟成によって、やがてまろやかな旨味に変化し、色は無色透明から琥珀色へと変わり、酒として完成します。
2002年度醸造の純米古酒の原酒です。
冷えたお酒をワイングラスに少なめに注いで、
ゆっくりと室温に馴染ませながら
温度による味わいの 違い余韻の長さを楽しめます。
きりっとシャープな辛口の味わいの冷酒から、
少しずつ温度が上がるにつれて
滑らかな甘味、コクが 出てきます。
閉じていた香りも温度と共に開いていきます。
まず、私のお酒を採用して頂けたことに感謝致します。
エントリー募集時点では、採用された場合に掛かりそうな費用が不安で応募を躊躇していましたが、イベントを終えた今では参加して良かったと思っています。
海外での日本酒品評会が増えたり、訪日外国人観光客の増加に合わせるようにして、「このお酒はどんな料理と合いますか?」という質問が増えてきました。
これまで、日本酒や和食にはマリアージュという概念自体がありませんでした。
料理そのもので完結している和食に 食中酒として選ばれる酒は「料理を邪魔しない酒」であり、個性を主張するものは好まれてきませんでした。
また、宴席では酔うことが目的化しており「質より量を」という要求も強いです。
今回、「酒巡り in Paris」で採用されていた各銘柄も夫々の個性とコンセプトを持った特長のある酒だったと思います。
海外から好ましい評価を受けることで、日本酒の隠れていた側面に光が当たることを嬉しく思います。
それはこれまでの日本人客にも影響を与えつつあると感じています。
ジャポニスム2018そのものが、私たちが普段当たり前過ぎて見過ごしてきた、あるいは気付かなかった、興味を失っていたものを今一度見つめ直し自信を持ち、自分達が何者なのか確認できるイベントでした。
そういう意味で 会場はパリであり、日本文化を紹介することが主目的でしたが、日本人にとっても大変良い企画だと思いました。
名の通ったレストラン、新しくても人気のレストランには業界でも発信力のある方が訪れます。
イベントの短い期間だけで、エンドユーザーを対象としたアプローチは、限界があって難しいものですが、レストランではスタート前からすでに興味を持たれそうな方々には薦め始めて頂いたり、来店されたソムリエやシェフ、関係者の方々に紹介頂いていたようで、有難く思います。
このような方々が、更にうまくエンドユーザーに薦めて下さるといいなと思っています。
Fricassée d’ormeaux aux champignons sauvages confits
温かい前菜、アワビと季節のキノコのフリカッセ
Photo : © MIHO